シェーグレン症候群とは
涙が出にくい、唾液が出にくいことを特徴とする自己免疫病で、スウェーデンの眼科医シェーグレンがはじめて報告したので、シェーグレン症候群と呼ばれています。
目や口腔内が乾燥するので、乾燥症候群ともいいます。中年の女性によくみられ、わが国には約三万人の患者がいます。
シェーグレン症候群は膠原病としてくくられる病気の一つで、おもに、涙腺や唾液腺などの外分泌腺に炎症が生じ、涙や唾液などが出にくくなる病気です。
慢性関節リウマチや強皮症など、ほかの膠原病と合併することが多くみられます(約50%)。ほかの膠原病をともなわない場合は、乾燥症候群と呼ぶこともあります。
シェーグレン症候群の原因は不明ですが、ほかの膠原病を合併することが多いので、免疫の異常が関係していると考えられています。
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シェーグレン症候群の症状
シェーグレン症候群の症状としては、涙が出にくいために、目の異物感、目の痛みやかすみ、充血が起こり、また唾液が出にくいことから、口のかわいた感じ、鼻のかわいた感じ、味覚の異常などが起こります。
むし歯も多くみられます。耳下腺や顎下腺のはれることがあります。また、シェーグレン症候群は慢性関節リウマチなどの膠原病を高い確率で合併します。
涙が出にくいため、目にごみが入った感じがして、ごろごろするなどの異物感があります。また、明るいところでは、まぶしい感じがします。
このようなシェーグレン症候群の症状は、目の表面の角結膜というところに炎症が生じているためです。
唾液も出にくいため、いつも目の中が乾燥し、のどか渇きます。そのため、水分を含まない食物が食べにくくなり、飲み込むのも困難になります。
必然的に水分摂取量が増えるため、排尿の回数も増えます。唾液の分泌が少ないために、口の中の浄化ができず、舌があれて、口角がただれたり、むし歯も多くなります。
また、耳下腺や顎下腺が腫れることもしばしばあります。鼻や耳、気管支など、ほかの粘膜の分泌物も減り、鼻の乾燥感や嗅覚の異常、外耳道炎、中耳炎、気管支炎などがおこりやすくなるのです。
シェーグレン症候群の症状として他には肺の炎症もみられます。 胃酸の分泌が悪くなって、胃炎や消化不良もみられます。
腎臓では、腎臓の間質という分泌や代謝をつかさどっているところに炎症が生じ、血液が酸性にかたよったり、骨がもろくなったりすることもあります(腎尿細管性アシドーシス)。
皮膚が乾燥し、女性の場合には膣の乾燥症もみられます。全身症状としては、関節の痛み、輪のような紅斑、紫斑、発熱、レイノー現象(皮膚の血行障害で、最初白くなり、ついで青くなってチアノーゼになり、回復すると赤くなる現象)などもみられます。
このようにシェーグレン症候群には様々な症状があります。
シェーグレン症候群の治療
シェーグレン症候群の治療は、目の角膜を保護するために人口涙液として点眼薬を一日3〜4回点眼し、外出するときはサングラスを着用し治療していきます。
口腔内乾燥に対しては、歯をよくみがいてむし歯を予防し、一日3〜4回のうがい、人工唾液の口腔内噴霧、食事のとき固形物といっしょに十分に水分をとるようにします。
乾燥症状の強いときには少量の副腎皮質ステロイド薬を使用することでのシェーグレン症候群の治療法もあります。
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