抗リン脂質抗体症候群とは
抗リン脂質抗体症候群は自己免疫疾患のひとつで自己抗体ができることによって、全身の血液が固まりやすくなり、動脈塞栓・静脈塞栓を繰り返す病気です。
特に習慣性流産や若年者に発症する脳梗塞の原因として重要です。抗リン脂質抗体症候群は、血液中に抗リン脂質抗体という自己抗体が証明され、習慣性に流産を起こしたり、動脈や静脈の中で血の固まりが出来る血栓症を起こしたり、血液検査上で血小板が減少する、というような症状や所見をきたす病気です。
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抗リン脂質抗体症候群
抗リン脂質抗体症候群の症状では、動脈血栓、静脈血栓が複数の部位に、また繰り返し起きるのが特徴的です。
抗リン脂質抗体症候群の症状に対して、他の病気では動脈や静脈に血栓症はあまりみられません。脳梗塞の頻度が動脈の血栓症としてはよくおこりますが、心筋梗塞などの血栓症も起こりえます。
静脈血栓症では、足の深部静脈に症状が出ることが多く、これが原因で肺梗塞を合併するひとも多いようです。抗リン脂質抗体症候群では、このような全身の血栓症によって、てんかん、片頭痛、皮膚の壊死、手足の麻痺、視力低下、失明など様々な症状が起きることがあります。
抗リン脂質抗体症候群の治療
もしも流産を繰り返している方が、抗リン脂質抗体陽性と診断された場合どのような治療をするのでしょう。
妊娠が確認されたら血液凝固能を延長させたり、血栓を予防することによって、子宮胎盤循環不全を起こさないようにします。
具体的に抗リン脂質抗体症候群の治療では、薬を使用しますが、副腎皮質ステロイドホルモン、低用量アスピリン、ヘパリン、漢方薬が使われます。
この様な治療法を行うと抗リン脂質抗体が陽性でも75%の方が生児を得ると報告されています。
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