脳動脈瘤とは
脳の動脈の壁の一部分がこぶや風船のようにふくらんでくる病気が脳動脈瘤です。 動脈の内側からかかる圧(血圧)に耐えきれなくなって、動脈のふくらんだ部分が破裂(脳動脈瘤破裂)するとくも膜下出血)になります。
動脈の壁に生まれつき弱い部分があって血圧に押されて徐々にこぶのようにふくらんでくる場合がほとんどと考えられていますが(先天性、脳の動脈の動脈硬化、脳の動脈への細菌の感染、面部外傷などが原因でおこることもあります。
普通は脳動脈瘤ができてもなんの症状も現われないのですが、まれに、大きくなった脳動脈瘤に動眼神経が圧迫され、片側のまぶたが下がる(眼瞼下垂)などの症状が現われることがあります。しかし、大部分の脳動脈瘤はなんの前ぶれもなく、突然破裂します。
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脳動脈瘤が破裂したときの症状
脳動脈瘤が破裂するとバットで殴られたような激しい頭痛、嘔吐、けいれん、意識障害などのくも膜下出血の症状(怒号が突然、おこります。
また、くも膜下出血をおこしてしばらくは元気だった人が、数日後に急に具合が悪くなり、手足のまひ、ろれつが回らないなどの言語障害が現われてくることがあります。
これは、出血のために脳の血管が細くなり、脳に十分な血液が流れなくなっている(脳虚血)ときの症状です。
さらに、脳動脈瘤が破裂で時期が経過してから、痴呆、歩行困難、尿失禁などがおこってくることもあります。これは、くも膜下出血のために脳脊髄液の流れが悪くなり、脳脊髄液がたまって脳室が大きくなった正常圧水頭症の症状です
脳動脈瘤の検査
CTでもくも膜下出血を確認したら、脳動脈瘤を探すために脳血管撮影が行なわれます。脳に血液を送っている動脈は四本(2本の内頚動脈と二本の椎骨動脈)あり脳動脈瘤が多発していることもあるので、四本すべてを調べなければなりません。
動脈に造影剤を注入するので多少の苦痛をともないますが、脳動脈瘤を探すために脳血管撮影は、要な検査です。 最近はMRIを用いた脳血管撮影が行なわれるようになって、未破裂脳動脈瘤の状態で見つかる脳動脈瘤が増えています。
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脳動脈瘤の治療
破裂した脳動脈瘤からの出血は一時的に止まっても、そのまま放置すると、再出血し、生命にかかわる危険が高いのです。
脳動脈瘤は、いつ破裂するかわからない時限爆弾のようなものなのです。したがって状態が許せば、内出血をおこさないうちに手術をしたほうがよいのです。
脳動脈瘤が破裂したときの治療
手術を行なう最大の目的は、再出血の予防です。開頭して、脳動脈瘤の根もとにクリップという金具をかけるクリッピングがもっとも確実な治療です。 動脈瘤の形などに問題があって、クリツピングができないときは、動脈瘤全休を特殊なのりでかためることもあります(コーティング)。