一過性脳虚血症とは
脳にいく血液の流れが悪くなって(脳虚血)、いろいろな神経症状が出現しますが、24時間以内(多くは20分以内)に自然によくなり、症状がなくなるものを一過性脳虚血症といいます。
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一過性脳虚血症の症状
片側の手足や顔のまひなどの運動障害、しびれや感じ方が鈍くなるなどの感覚障害、ろれつが回らなかったり、ことばがでなかったりする言語障害、片方の目が見えにくくなる視力障害(一適性黒内障)、片側にあるものが見えなくなる視野障害(同名性半盲)など一過性脳虚血症の症状はいろいろです。
一過性脳虚血発作を、すぐよくなったからと放置して治療をしなかった場合には、数年以内に02〜30%が脳梗塞をおこすので、脳梗塞をおこす警告症状としてたいへん重要です。
とくに、発作を何回もくり返したり、発作のたびに症状が強くなる、症状の持続時間か長くなるといったときは、それに引き続いて脳梗塞の発作をおこすことが多いので、要注意です。
一過性脳虚血発作をおこしたときは、できるだけ早く、神経内科か脳神経外科の診察を受けて、医師の指示があったときは、入院して適切な治療を受けることが必要です。
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一過性脳虚血症の原因
一過性脳虚血症は、脳の血液の循環障害のためにおこりますが、一過性脳虚血症の原因は大きく分けて二つあります。手腕の動脈に血栓が一時的につまっておこる 脳梗塞をおこす警告症状です。
脳の動脈の動脈硬化が進むと、その部位の血液の流れによどみができて、血栓ができやすくなります。そして、血管の壁にできた血栓がはがれて、その先の動脈の細い部分につまります。
心臓や大動脈などの脳以外の部位に生じた血栓が、脳の動脈に流れてきてつまることもあります。 一過性脳虚血症では幸いにも、つまった血栓が小さいと、短時間で自然に溶けて血液が再び流れるようになります。
血栓がつまると、その動脈から血液の供給を受けていた脳の部分のはたらきが障害を受け、その部分がつかさどっていた機能に応じて様々な症状が現れます。
血管が閉塞していた時間が短いと、脳はまだ壊死をおこしていないので、血液の再開とともに再びはたらきだします。
そのため、一過性脳虚血症の症状が消失するのです, このようなことをくり返していると、もとにもどれない変化が徐々に脳組織に生じてきて、そのうちに脳梗塞がおこります。
一過性脳虚血症の検査と診断
一過性脳虚血症の症状は、短時間のうちに自然に消えてしまうので、医師が症状を実際に確認できることはまれで、本人や周囲の人の話が診断を下すうえで重要になります。
このようなことがあったら、一過性脳虚血症の症状を正確に医師に報告しましょう。症状から、脳梗塞のまえぶれと判断されたときは、すぐに入院して詳しい検査や、脳梗塞をおこさないようにする治療が必要です。
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一過性脳虚血症の治療
脳梗塞の前兆と診断がついたときは、すぐにも治療が必要です。
●内科的治療
血液を固まりにくくして血栓形成を防ぐために、抗血小板薬や抗凝固薬、血栓溶解薬などを使用する薬物療法を行ないます。
●外科的治療
脳血管撮影の結果、脳動脈の内腔がアテローム性動脈硬化により狭く、不参で、いまにもつまりそうな部位(頚部の内頚動脈のことが多い)が見つかったり、血液の流れを改善させれば症状がよくなると考えられる場合は、動脈に対する手術が行なわれることかあります。