網膜色素変性症とは
年をとるにつれて網膜が変性し、徐々に両眼の視力が失われる遺伝性の病気が網膜色素変性症です。
網膜色素変性症は、赤ちゃんのころにはなんの異常も現われませんが、思春期ごろになると夜盲症(暗いところではものが見にくくなる)や視野狭窄(眼で見える範囲が周辺から欠け、だんだん狭くなってしまう)が少しずつ進んできます。
ただし、網膜色素変性症の症状の出始めのころは、視力の低下はそれほど顕著でないため、ほとんど不自由を感じることはありません。
しかし、年をとるにつれて視野狭窄が悪化し、めがねをかけても宇が読めなくなるほど視力が低下します。網膜色素変性症では白内障も合併しますが、これは手術で治療できます。
この病気は、厚生省の特定疾患(難病)に指定されており、治療費の一部は公費で支払われます。
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網膜色素変性症の原因
網膜色素変性症は遺伝性の病気と考えられています。網膜には、光を感じる視細胞と、そのはたらきを助ける網膜色素上皮細胞とがありますが、これらが年とともに変性し、はたらきが失われます。
その結果、網膜全体の変性が徐々に進行し、視力や視野が強く障害されます。
網膜色素変性症の検査
網膜色素変性症の治療
現在、網膜色素変性症の進行を止める治療法はありませんが、細胞のはたらきを助けるため、血液循環をよくする薬やビタミン剤が使用され、暗順応を改善させる薬が使用されることもあります。
少しでも網膜を保護するため、強い光は避けるようにし、サングラスや網膜を保護するイエローレンズのめがねを使用します。
最近、網膜色素変性症の原因遺伝子が次々に発見されていますので、将来は遺伝子治療が可能になるかもしれません。