角膜炎とは
角膜は、目に入った光を屈折して網膜に焦点を結び、物のかたちや色がわかるという、カメーラでいえばレンズとしての重要なはたらきがあり、そのために透明で光学的にきれいな球面である必要があります。 角膜、特に瞳孔領近くの病気は、視力に重大な影響を与丸ますので、早期に診断し治療をおこなう必要があります。
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帯状ヘルペス角膜炎
単純ヘルペスと同様に神経内に潜伏した水痘・帯状ヘルペスウイルスが活性化され、神経を下降して角膜炎を生じます。
症上は眼の三叉神経の第一枝領域にウイルスが現われると、額からまぶたにかけて水泡や発疹が生じます。これを眼部帯状ヘルペスといいます。その後、約五〇%の確率で目の症状が現われ、角膜炎、結膜炎、虹彩毛様体炎などを生じます。また、点状や線状の混濁が角膜上皮に生じ、異物感がおこります。
帯状ヘルペス角膜炎の治療
抗ヘルペス剤のアシクロビル眼軟膏、抗生物質の点眼を行ないます。角膜の混濁にはステロイドの点眼がよく効きます。
アカントアメーバ角膜炎
アカントアメーバが角膜に感染しておこる角膜炎で、ソフトコンタクトレンズを使用している人に多くみられます。 レンズ洗浄液に水道水を使用すると、その中でアカントアメーバが増殖して感染源になると考えられています。
アカントアメーバ角膜炎の症状
親近性角膜潰瘍と似ています。初期は角膜の濁りや充血がみられますが、強い痛みを訴えるのが特徴です。進行すると角膜中央に白色円形の混濁がみられます。
アカントアメーバ角膜炎の治療
アカントアメーバ角膜炎は非常に治りにくいものです。−病巣部をそうはしてアメーバを除去し、抗真菌剤を使用します。 点滴の場合、その薬液の一部を点服用に使うこともあります。診断が遅れ、治療が遅れると強い混濁が残ります。
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びまん性表層角膜炎
黒目の表面の角膜は、目を守るため非常に知覚が敏感です。この角膜の表面の上皮と呼ばれる部分に浅い傷ができた状態を、びまん性表層角膜炎といいます。
傷自体はすり傷のようなものですが、知覚が発達しているので非常に痛く、涙があふれてきます充血をともない、異物感のためにしばしば目があけられなくなります。
びまん性表層角膜炎の原因
びまん性表層角膜炎の原因を大別すると、@からだの外からくるもの(異物やまつげなどの機械的刺激、コンタクトレンズ、紫外線など)、A目の病気からくるもの(涙液減少症やマイホーム腺界アレルギー性結膜炎など)、Bからだの病気からくるもの(糖尿病や三叉神経まひシェーグレン症候群など)り二つになります。
びまん性表層角膜炎の治療
原因となる疾患などを収り除きます。したがって、びまん性表層角膜炎の原因により治療薬が異なります。原因療法のほか、角膜保護剤や感染予防のための抗生物質の点眼が行なわれます。びまん性表層角膜炎の原因さえ十分に取り除くことができれば、数日で治癒するのがふつうです。
乾性角結膜炎とは
涙の分泌が低下する(ドライアイ)ためにおこってくる病気が乾性角結膜炎です。 乾性角結膜炎は中年以降の女性に多いとされてきましたが、最近ではOA機器やコンタクトレンズの使用頻度の高い若年者にも、男女を問わず増えてきています。
乾性角結膜炎の症状
異物感、乾燥感、めやに(眼脂)などがおもな乾性角結膜炎の症状ですがヽ目が疲れるといったはっきりしない症状のこともあります。 涙と唾液の分泌が同時に低下する自己免疫疾患はシェーグレン症候群と呼ばれ、乾性角結膜炎も重症になることが多く、ときには角膜潰瘍から、失明に至ることもあります。
乾性角結膜炎の治療
涙の分泌を確実に増やす薬は今のところなく、漢方薬などの内服が行なわれる程度です。治療の主体は、人工涙液という、目をうるおすための目薬の点眼になります。 重症例には、涙の蒸発を防ぐカバー付きめがねや、涙の排出を防ぐ涙点プラグが使われることもあります。
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