原田病とは
全身のメラニン細胞(メラニン色素を有する細胞)に対する免疫反応が高まったためにおこるぶどう膜炎の一種が原田病で、日本人などの有色人種におこります。
かつて原田病は虹彩(毛様体)炎の症状が著しい「フオークト・小柳病」と、脈結膜炎から網膜剥離を生じる「原田病」として別々の病気と考えられていましたが、どちらも経過中に眼底や全身の色素が薄くなっていくことから、同じ病気と考えられるようになり、フオークト・小柳・原田病あるいは原田病と呼ばれるようになりました。
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原田病の症状
原田病は発熱、頭痛、全身倦怠感などのかぜ症状で始まり、急に両目がかすんだり、ものがゆがんで見えたり、見えなくなったりします。
そのころには、めまい、耳鳴り、難聴もともないます。髄液検査では髄膜炎がみられます。その後、頭髪、まゆげ、まつげが抜けたり、白髪化したり、また、皮膚に白斑が見られるようになります(早期治療により、脱毛、白髪、白斑などが見られることは少なくなっています)。
また、原田病では両眼に著しい虹彩(毛様体)炎、脈結膜炎による網膜剥離、視神経乳頭の浮腫のみられることが、原田病のぶどう膜炎の特徴です。
原田病の治療
原田病の治療としては全身的なステロイドの大量投与(点滴)が行なわれ、その後、内服でステロイド量を徐々に減量します。
通常、原田病では、数か月におよぶステロイド治療が必要です。また、虹彩(毛様体)炎に対するステロイドや散瞳剤の点眼も行なわれます。
ステロイド大量投与が行なわれる以前は、ぶどう膜炎が慢性化するため、白内障、緑内障、眼底の萎縮のために、重篤な視力障害を生じる場合が少なくありませんでした。
現在では、90%以上で良好な視力が得られるようになりましたが、一年以上の長期間にわたってステロイド治療が必要となる場合もあります。
原田病の発病後、早期にステロイド大量投与を開始することが原田病の予後の決め手となります。
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